“含み損”との上手な付き合い方──数字とメンタルを整える5ステップ

含み損は FX を続ける上で避けて通れない“通過点”。
含み損=損失確定ではなく、「まだ決済していない未実現損益」にすぎません。本稿では、初心者が含み損に怯えず運用を続けるための5 ステップを解説します。

1. 損失許容ラインを“数値”で決める

  • 設定例:証拠金維持率 200% 以下で一部ポジションを手動削減。

  • ローソク足 1 本で○円動いたら ×%の含み損になる…とシナリオ計算

2. ドローダウン実績をグラフで確認

  • 過去 10 年の最大下落率を確認し、 「最悪でも −30% までは想定内」 など腹落ちさせる。

  • グラフが右肩上がりでも、途中で深い谷がある点を忘れない。

3. ロット分割と通貨ペア分散

  • 10,000 通貨×1 より 1,000 通貨×10 の方が精神的ダメージが小さい

  • 相関の低いペア(豪ドル/円 × ユーロ/ポンド など)でリスクを均す。

4. 追加資金=“追い玉”は計画的に

  • 逆行時にロットを増やすナンピンはルール化が必須。

  • 資金余力がない状態でのナンピンはロスカット一直線。

5. モニタリング頻度を決める

  • スマホ通知を価格急変+維持率低下時のみに限定し、“値動き中毒”を防ぐ。

  • 週 1 回、口座残高と評価損益をシートに転記 → 俯瞰で推移を把握。

含み損メンタル Q&A

Q. 評価損が −10% を超えたらすぐ切るべき?
→ ロジックの“想定レンジ”に収まっているかが判断基準。想定下限を抜けて構造的に機能しない場合のみ撤退検討。

Q. 含み損が減らないとき何を見直す?
→ 「ロットが大きすぎないか」「相場環境がロジックに合っているか」「スプレッドが広がりすぎていないか」の3 点でチェック。

まとめ

含み損は“悪”ではなく、取引コストの一部と捉えるとメンタルが安定します。
重要なのは ①数値化 → ②想定内か判断 → ③行動ルールで処理 の流れを機械的に回すこと。数字と向き合い続ける習慣が、長期でプラスに転じるための第一歩です。