「米国株とドル円の関係性を徹底解説|為替相場が株に与える影響とは?」

日本人が米国株を購入する際、必ず影響を受けるのが「為替相場」です。特にドル/円のレートは、投資の成績に大きく関わってきます。

この記事では、「米国株の投資」と「為替相場(ドル円)」の関係性を具体例と数値で徹底解説し、初心者でも理解できるようまとめました。

そもそもなぜ為替が関係するのか?

日本人が米国株を買うには「円→ドル」に換えて投資する必要があるため、為替レートの変動が資産の増減に影響します。

購入時の為替

売却時の為替

米国株の評価額

円換算での影響

1ドル=130円

1ドル=150円

±0(ドル建て)

+15%の円建て利益

1ドル=150円

1ドル=130円

±0(ドル建て)

-13%の円建て損失

株価が同じでも、「為替差益・差損」によって円換算ベースでの利益が変動します。

ドル円と米国株の関係性:相関はある?

為替と米国株は、一概に「連動する」とは言えません。ただし、以下のような傾向があります。

為替動向

株価動向

背景

円安(ドル高)

米国株に有利(日本人投資家)

円換算で評価益増加

円高(ドル安)

米国株に不利

円換算で評価損になりやすい

ドル高+金利上昇

株価下落要因も

金利負担増による企業収益減

為替がプラスに働くケースと、株価下落でマイナスになるケースが拮抗する場面もあります。

為替による米国株投資のリターン変化シミュレーション

以下は米国株で10%の値上がりがあった場合の、為替の影響を試算した表です。

為替変動

ドル建てリターン

円換算リターン

±0円(為替変動なし)

+10%

+10%

円安(+10円)

+10%

約+18%

円高(-10円)

+10%

約+2%

為替-10円・株価±0

±0%

約-7%

このように、**為替の影響で「含み益が減る」「損益が逆転する」**ことも珍しくありません。

為替ヘッジとは?有効な活用場面

為替リスクを抑える方法の1つに「為替ヘッジ付き商品」の活用があります。

ヘッジの有無

メリット

デメリット

向いている人

ヘッジあり

為替の影響を受けにくい

信託報酬が高め・手数料がかかる

円高局面を懸念している人

ヘッジなし

手数料安く為替差益も狙える

為替の下落で含み損リスクあり

長期保有・円安継続を見込む人

米国株ETF(たとえばVOOやQQQ)でも「為替ヘッジ型」があるので、状況に応じて選ぶのがポイントです。

FXとの連携活用も視野に

FX(ドル/円)を併用することで、為替リスクをコントロールする投資戦略も可能です。

米国株投資

FXの活用例

狙い

米国株ETFを保有

ドル/円のロングポジション

為替変動でのマイナスを補う

株+スワップ通貨投資

米ドル/円・豪ドル/円併用

配当+金利収入のダブル狙い

為替上昇に備えず

FXで短期ヘッジ売り

円高に備えてカバー

一時的にドル建て資産を持つとき、為替ヘッジやFXの保険的運用が有効になります。

まとめ:為替も投資成果の一部

米国株を購入する際には、「株価の値動き」だけでなく「為替の変動」によって資産が変わることを理解しておくことが重要です。

  • ドル/円の動向を常にチェック

  • 為替ヘッジの活用や、FXによる補完も検討

  • 為替差益が出る=“もう1つの利益”と捉える視点を持つ

こうした視点を持てば、より柔軟で安定した米国株投資が可能になります。