
鉄分の種類ってどんなものがあるの? 食事や健康習慣に役立つ基礎知識
1. 鉄分にはどんな種類があるの?
鉄分は体にとって大切なミネラルのひとつ。食事や栄養補助食品から補う際には、いくつかの「種類」があることをご存知ですか?

実は鉄分は主に以下の3タイプに分類されます。
非ヘム鉄:植物性食品に多く含まれます。体への吸収率はやや低いとされており、ビタミンCなどと一緒に摂るのが望ましいと言われています。
ヘム鉄:肉や魚など動物性食品に含まれるタイプ。たんぱく質に包まれた構造になっていて、吸収されやすいとされています。
フェリチン鉄:体内での貯蔵に関与する鉄のかたち。食品としては限られた素材に含まれており、近年では新たな選択肢として注目されています。
それぞれに特性があるため、生活スタイルや体質に合った摂取の工夫が求められます。
2. 吸収のされやすさには違いがある?
これらの鉄分は、種類によって体への吸収のされやすさに違いがあると考えられています。
たとえば、ヘム鉄は食べ物の成分(食物繊維やタンニンなど)に影響されにくく、比較的効率よく吸収されるタイプです。
一方で非ヘム鉄はそのままだと吸収率が低くなりがち。ビタミンCを含む食品と一緒に摂取するのが効果的とされます。
最近では、鉄分の効率的な摂取方法として、体内に貯蔵されやすい「フェリチン鉄」や、吸収性を高めるために微細化された「NDS化鉄(ナノディスパージョン鉄)」といった新しい形式が研究されています。
これらの鉄のかたちは、吸収率や体へのやさしさに配慮した選択肢として注目されており、サプリメントにも徐々に採用され始めています。
3. 鉄分摂取をサポートするための工夫とは?
鉄分を意識して摂取する際には、以下のような点を意識すると良いでしょう。
食事のバランスを意識して、鉄を多く含む食材を取り入れる
ビタミンCと一緒に摂ることで、非ヘム鉄の吸収効率アップが期待できる
自分の体質やライフスタイルに合った形の鉄分補給を選ぶ
健康補助食品を選ぶ場合は、どんな原材料から作られているのか、製造方法や成分表示に注意を払いましょう。
4. 鉄分を多く含む食材とは?

鉄分は日々の食事からも意識的に摂ることができます。
特に、以下のような食材は鉄を多く含むことで知られています。
● ヘム鉄を多く含む食品(動物性)
牛・豚・鶏のレバー
赤身の肉(特に牛もも肉)
カツオ、マグロ、イワシなどの魚類
あさりやしじみなどの貝類
これらの食材に含まれる「ヘム鉄」は、体内への吸収率が高いとされ、タンパク質などの影響を受けにくい特徴があります。
● 非ヘム鉄を多く含む食品(植物性)
小松菜、ほうれん草、春菊などの青菜類
納豆や豆腐、大豆、レンズ豆
ひじき、切干大根、干ししいたけなどの乾物
インスタントオートミールや全粒穀物
植物性食品に含まれる「非ヘム鉄」は吸収率がやや低いため、ビタミンCを含む食材(例:ブロッコリー、いちご、キウイ)と一緒に摂取することで吸収効率が高まるとされています。
食事とサプリメントをうまく組み合わせることで、日常生活の中でも鉄分を無理なく意識することができます。まずは身近な食材を活用して、バランスの良い食生活を心がけてみましょう。